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2023.07.15

夏の落とし穴!エアコンとインナードライ

こんにちは、株式会社ALLUREです。セミの声も聞こえ出し、よりいっそう暑さが増したように感じます。この時期は帰宅後から翌日の朝までエアコンはつけっぱなしの状態です。それに加え、就寝時は全身に冷房の風を受けながら眠りにつきます。エアコンで肌が非常に乾燥するので普段より十分な保湿を心がけているのですが、毎日のように受けている“エアコンの風”が肌に与える影響について今回はお話をしたいと思います。今回のキーワードは「バリア機能」です。

目次

1.乾燥肌の原因

2.皮膚構造とバリア機能

3.インナードライ肌の治し方

4.まとめ

1.乾燥肌の原因

前回のコラムでも書きましたが、乾燥肌原因は様々あります。少し掘り下げていきたいと思います。

乾燥肌を引き起こす原因として、環境によるものがほとんどです。具体的に、温度・洗顔の種類・湿度・外的刺激・アルコール配合化粧品の使用などがあります。肌の色・皮脂腺の状態・遺伝的要因・喫煙の有無や、処方されているなども肌の乾燥に影響します。

肌に水分を与えるのは大切です。しかし、今日このコラムを通して皆様に知っていただきたいのは、肌のバリア機能を正常に保つことが保湿と同じくらい大切であるということです。では、お肌のバリア機能はどのように保たれているのでしょうか?

2.皮膚構造とバリア機能

皮膚の内部は、主に3つの層で構成されています。 私たちが目で見ることができる一番外側が表皮、その下に真皮、そして皮下組織という3層が重なっており、表皮はさらに外側から角質層、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層の4層で構成されています。この中で角質層がお肌を乾燥から守るのに非常に大切な役割を果たしています。

表皮の最も外側にある角質層は、薄いところでは厚みがわずか約0.02ミリの層構造であり、ここにはセラミドという細胞間脂質が存在し、肌のうるおいを保ち、乾燥から肌を守るバリア機能を持つ大切な部位です。皮膚が乾燥すると、以下のようなことが起こります。

1)角質層がはがれてすき間ができ、皮膚のバリア機能が低下して、外からの刺激を受けやすくなります。本来なら皮膚に入ってこないはずのアレルギーの原因物質や細菌・ウイルスが侵入しやすくなり、湿疹やアトピー性皮膚炎が発症・悪化しやすなります。

2)かゆみの知覚神経が皮膚の浅い所の表皮内まで伸びてきて、かゆみを強く感じやすくなります。外からの刺激に敏感になり、衣服がこすれるだけでもかゆみを感じるようになります。かゆみで皮膚をかくと、物理的刺激でさらに皮膚バリア機能が低下します。

・細胞間脂質

細胞間脂質は、角層内で角層細胞同士の間を埋めている脂質のことで、主にセラミド、脂肪酸、コレステロールで構成されます。 細胞と細胞をしっかりと接着するセメントのような役目を果たすとともに、肌内部の水分が蒸発するのを防ぐバリアの役割を担っています。

セラミド

長さの違う分子で構成されています。長さの長いセラミドの方が、より多くの水分を保ちますが加齢とともにセラミドの長さは短くなっていきます。角質層に多くのセラミドを含むと、細胞間の結合を保ち、水分が逃げるのを防ぎます。 セラミドを増やす方法としては、大豆や米、小麦などはセラミドを多く含んでいる食品やサプリメントから摂取することができるので、日々の食生活に積極的に取り入れてみてください。また、セラミドは保湿化粧品で外からも補うことができます。しかしセラミドは水に溶けにくい成分であるため、化粧水には多くの量を配合することはできません。 化粧水よりも油分が多い保湿美容液や乳液でセラミドを補い、クリームで最後にふたをしてあげるのが効果的です。

コレステロール

私たちが食事から摂るコレステロール量は1日約0.3~0.5gで、体内で合成される1日約1~1.5gの約3分の1に過ぎません。 体内では常に一定量のコレステロールが必要なため、生体はこれを合成するとともに、食事で摂り過ぎた時には、合成を抑制する働きもあります。

遊離脂肪酸

特に重要な遊離脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸です。リノール酸とオレイン酸を多く含む健康オイルとしておすすめなのは「こめ油」です。 こめ油は米ぬかから作られる植物油です。 オレイン酸とリノール酸のほか、ビタミンEの含有量が他の油に比べて多く、さらにビタミンEの数十倍の抗酸化力を持つと言われるトコトリエノールなど抗酸化作用のある成分を含み、酸化に強く、美容や健康にもよいと言われています。

◎表皮の角質層は、角質細胞がレンガを積み上げたように重なっていて、外界からの刺激や異物(アレルギーの原因物質や細菌・ウイルス)の侵入を防ぐ役割(バリア機能)を果たしています。私たちの体は、このバリア機能によって、①アレルギーの原因物質(ダニや食べ物など)や細菌・ウイルスなどの体内への侵入を防いだり、②体内の水分が皮膚から失われるのを防いだりしています。バリア機能は皮膚の健康を守るための大切な働きをします。

3.インナードライ肌の治し方

インナードライとは、肌の内側は乾燥しているのに肌の外側は皮脂でベタついてしまってる肌の状態を指します。インナードライ対策は、「角層の水分量を安定した状態で保つこと」と「与えたうるおいを蒸発させないこと」が基本です。この状態が保たれると皮脂が過剰に分泌される必要がなくなり、油分と水分のバランスが整います。
◎“インナードライチェック” をしてみましょう

洗顔後のお肌状態をチェックしましょう。普段は全体的にテカリやベタつきが気になっていても、洗顔直後からつっぱり感や乾燥感を感じる場合は、インナードライの可能性が高いです。

また、肌の質感が硬いのもインナードライの特徴です。 肌に触れた時にふっくらとした柔らかさを感じられず、ごわつきや硬さを感じる場合は、肌内部の乾燥が進んでいるかもしれません。

夏はベタつきが気になることから、「乳液を使わずに化粧水だけで済ませている」という方もいるかもしれません。しかし実は、夏こそ保湿が必要な季節です。 汗やエアコンによるうるおい不足をそのままにしていると、肌のバリア機能が低下し、肌内部を乾燥させてしまいます。 さらに夏にダメージを受けた乾燥した肌は、秋ごろにシミやシワを引きおこす原因にもなります。 スキンケアの最後に、入れ込んだ水分を閉じ込めるためにクリームもしくは乳液を使用しお肌に必要な油分を補いましょう。

4.まとめ

本日も、最後までお読みいただきましてありがとうございました。乾燥肌について、そしてインナードライについてご理解いただけましたでしょうか?次回のコラムでは、本日お話をさせていただいた“夏のインナードライ”を解消するためにオススメのアイテムや使用方法をお伝えさせていただきたいと思います。