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2023.08.22
本日から、世界最先端美容情報が集まるアメリカの、美容や肌についてのより専門的な知識や情報についてコラムにして発信していきたいと思います。
本日のテーマは「炎症と老化の関係性」です。
目次
1.炎症とは?
2.肌に起こる炎症
3.インフラメージング
4.エクスポソーム
5.肌老化予防のためにできること
6.肌に届かないサプリメント
7.まとめ
1.炎症とは?
炎症には、赤み、熱、腫れ、痛みなど様々な現れ方があります。
上記のように、突然発症したり、目に見えたりすることで気づくことができるものを「炎症」と認識しがちですが、時間をかけて発症したり、目に見えない「炎症」なども存在します。
その一例が肌老化です。
老化は徐々に長い年月をかけて表面に現れます。その他にも、感染症、怪我、関節炎、糖尿病など病気や疾患と認識されるものも「炎症」と定義されます。
ここで、肌に起こる炎症について以下にまとめていきます。
2.肌に起こる炎症
肌に起こる炎症には、
・ニキビ
・酒さ
・皮膚炎
・シワ
・色素沈着
など他にも様々あります。
このように、全ての病気や疾患が目に見える、見えないに関係なく「発生している」ことから、炎症と呼ばれます。
また、炎症と老化には密接な関係性があります。以下で説明してまいります。
3.インフラメージング(Inflammaging)
インフラメージングという言葉は、老化について研究を行った免疫学者が作った造語で、炎症反応は紫外線や乾燥などの外部刺激に対して生体に備わる必要な防御反応ですが、近年、生体内の炎症反応が完全に収束せず、炎症が慢性化することで生体に様々な悪影響を及ぼすことがわかってきました。 この慢性的な炎症により、老化が促進される現象をインフラメージングと呼んでいます。
細胞は、傷、紫外線、フリーラジカルなどにより、継続的にダメージを受けています。炎症は1度起き始めると、どんどんと加速し悪化していきます。
4.エクスポソーム(Exposome)
エクスポソームは、個人が生涯を通じて遭遇する環境への曝露、およびこれらの曝露が生物学や健康にどのような影響を与えるかを説明するために使用される概念です。これには、人間の健康に影響を与える可能性のある化学的、物理的、生物学的、社会的要因などの外部要因と内部要因の両方が含まれます。
例えば、
・太陽光による放射線
・たばこの煙
・高温・低温など温度差
・栄養不足
・ストレス
・睡眠不足
・空気汚染
などが挙げられます。
中でも空気汚染は、ここ数年の肌老化や肌悩みを急激に増加させている原因と考えられています。世界保健機関による統計では、世界人口の92%が空気の質が標準以下地域に住んでいるという結果が出ています。
これらの環境などによる炎症や肌老化を発生させる要因に加え、生活習慣や嗜好品などの個人的な要因により肌老化を更に加速させています。
5.肌老化予防のためにできること
光老化などにより傷付き炎症を起こした細胞は、プログラム細胞死という現象を起こし、やがては消えなくなります。
プログラム細胞死は多細胞生物における不要な細胞の計画的自殺のことで、組織傷害などで細胞死を起こす壊死と異なり、生物の生命に利益をもたらす調節されたプロセスのことを言います。プログラム細胞死は、植物、動物、一部の原生生物で正常な組織形成や病原体などによる異常への対処として働きます。
私たちが肌老化の予防のためにできることとして、
・抗酸化作用のあるアイテムの使用
・SPF配合アイテムの使用
などが挙げられます。
主に紫外線により肌は炎症を起こし、光老化と呼ばれる肌老化を起こします。そのため、肌老化をしないためには紫外線予防をすることが必須です。
紫外線に対するSPFの有効性や、紫外線が肌にダメージを起こすメカニズムなどについては、
抗酸化作用のあるアイテムやビタミンCなどの栄養素の詳細については、
のコラムをご覧いただければ幸いです。
6.肌に届かないサプリメント
サプリメントを摂取すると、摂取された栄養素は全身に運ばれるので肌だけでなく臓器や体に運ばれ作用するのですが、肌への影響だけを考えると、摂取したサプリメントの栄養素の1%しか肌には届かないと言われています。
表皮に1%しか届かない理由は、皮膚構造にあり、栄養を運ぶ血液の通る血管が表皮の奥の真皮に存在するためです。
そのため、肌に効率的に栄養素を届けたい場合は医療効果があるとされている生理活性成分を含む化粧品を使用するのが最も効率的です。
7.まとめ
本日は炎症と肌老化についてコラムを書かせていただきました。老化も時間をかけて肌に現れる「炎症」の1種です。化粧品だけでなく、普段の食事をバランスよく接種することや、適度にエクササイズをすることで肌老化を遅らせたり、改善させることができます。長い間健やかな肌を保つために、普段できる行動から始めていきましょう。